2011年12月19日月曜日

漫画界に現れたオールドルーキー『詩人てるゆき』

『詩人てるゆき』よしかわゆたか(双葉社)
 書籍に付いている帯というものは商品ではないので付いていないこともありますし、映像化やフェアなどで変わったりすることもあります。帯のキャッチコピーによってものすごく売れる本、著者よりも帯のコピーを書いている著名人の名前が大きい本、(漫画などでは)帯のせいで巻数がわからなくなる本、帯が表紙の3/4を占めている本など色々あります。この『詩人てるゆき』に付いている帯もなかなか印象的であります。『DR.コトー診療所』の山田貴敏先生がコメントを寄せているのですが、なかなか不可思議なことが書いてあります
「僕のセンパイがデビューしました!あきらめなければ夢はかなうのです」


 『DR.コトー』といえば10年以上の長期連載で作者の山田先生はけっこうなベテランのはず、その先輩が今頃デビューとは一体どういうことなのか?そして「あきらめなければ夢はかなう」って先輩の作品に寄せるコメントとして、かなりいい加減というか陳腐というか馬鹿にしてんのかというか、とにかく本の中身が気になってくるコメントです。





 中身を読み始めて数ページで山田先生のコメントの後ろ半分の謎が解けます。夢がかなう云々は本作の主人公「詩人てるゆき」の書いた詩からきていたのです。主人公の輝幸は詩人というかニート、36歳です。ちゃんと働いている妹と元会社役員の父と同居しています。自称詩人の輝幸は毎日ノートをブラブラしながら、しょうもない詩を書いています。毎回何かしらの事件に巻き込まれながらくだらない詩を書き続けます。さすがアクションの連載作だけあって途中からニート漫画からラブコメになったりしません。ロリ、グルメ、妹など色々な漫画の要素は加えつつも、ニートという軸がぶれないのです。

そんな味わい深いニート漫画なのですが帯の山田先生のコメントの前半分が頭から離れません。もしかして主人公の輝幸は作者自身なのか?だから今頃デビューなのか?後書きまで読むとそこに答えがまっています。漫画の後書きがこんなに重要な作品は初めてです、是非お読みください。

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